冬の長雨
予報によれば土曜から雪になるとのことだったが…。思ったとおり雨のまま終わりそうだ。
雪は風情があっていいのだが、車や仕事のことなど世俗的なことを考えると降って欲しくない。
子供の頃の高崎は一冬に何回かの降雪があったものだが、このところ少なくなっているようだ。
平均気温とかのデータばかりではなく、温暖化や地球環境の変容を身近な日常に感じるようになっている。
この冬も朝方の寒さをしのいでしまえば、日中の日差しは冬のそれとはとても思えないような強烈さで、車の中で汗ばむほど。
「インディアンサマー」などという、寒さの中で一瞬だけ差し込む柔らかな日差し、などといったささやかなものではない。
紫外線も一緒くたにして、まるで太陽が怒っているように人間の皮膚に強烈な日差しを浴びせている、といったような感覚になる。
やはり地球のメカニズムは大きく狂い始めている。
人類や地球全体のことを憂うような余裕もこころざしもない自分でも、どこかで歯止めが利かないと後戻りの出来ない破滅への道を突き進んでしまうような危機感を感じる。
歴史を振り返ると、こういうときには必ず警世家がいたもので、彼らの多くは「哲学者」と言われてきたと思う。
しかし今では、哲学の研究者は多くても、人々の日常に大きな影響を与えられるような警世の哲学者が見当たらない。
胡散臭いやり方でそれをやろうとしているのが一部の新興宗教で、政治家にも官僚にも経済人にも「尊敬すべき人」が少ない今では、若い人がオウムのようなオカルトに走ってしまうのもある意味では仕方ないことなのかもしれない。