前橋文学館で金澤翔子さんの書を見てきました。
前橋文学館(正式には萩原朔太郎記念 水と緑と誌のまち 前橋文学館というそうです)で、金澤翔子さんの書を見てきました。
「金澤翔子 詩と書の世界」という企画です。
この展示は前から気になっていたのですが何かのついでに前橋に行く機会があれば…、とつい先延ばしにしてきました。
「日曜なのでNHK将棋講座でも見てのんびりしようか、トーナメントは谷川先生が勝勢だし」などと思っていたのですが、たまたま駅まで人を送っていく必要がありそのまま前橋まで足を延ばしてみました。
チャンスがあるときに見ておいて、とてもよかったです。
朔太郎はじめ、宮沢賢治、堀辰雄などの詩や芭蕉、白秋、子規の俳句まで、力強いタッチで奔放に描く筆の勢いに圧倒されてしまいました。
詩の心などよくわからない文学音痴の目から見ても、「月に吠える」の筆致は、まさに思春期にある朔太郎本人の言いようのないジリジリとした思いをよく表現しているような印象を持ちました。(「天日直射して熱く帽子に照りぬ」というちょっと好きだった教科書の一節を思い出したりして。)
書といえば、数年前戯れに百均で般若心経の写経セットを買ってきて数枚描いたことがありますが、雑念と煩悩ばかりが心の中を去来するばかりで、すぐ飽きてしまったことがあります。
そんな、詩にも書にもまったく覚えのないものが見ても、金澤さんの筆致は圧倒的な存在感を感じさせてくれました。