私心まるだしのくだらない連中に倍返し。半沢直樹は黄門さまを超えるか?
高視聴率で話題のTVドラマ、半沢直樹第六話をネット動画で見てみた。 日曜の夜にリアルタイムで見ることは難しいので、どうしても数日遅れでネットに頼ることになる。
ドラマとしてはけっこう面白いし、堺雅人の演技も迫力があっていい。 これまで小説や映画でも、こうしたややエキセントリックな銀行マンは描かれたことがなかったような気がする。
もっとも、組織より正義というこんな人物を日本の銀行は決して採用しないのだろう。
感想を一言で言えば、貸す奴もくだらない、借りる奴もくだらない。 貸す奴を監督するという「金融庁」なるものも、実にくだらない存在だ。 そして、私心でしか動かないくだらない奴らが暗躍する世界には、たくさんの不正が渦巻いている。それは、現実によくある見慣れた風景かもしれない。
くだらない連中がたくさん登場し、半沢と周辺の一握りの人物だけが「まともな正義感」でそうした不正に「倍返し」で立ち向かう。 正義感の背景には、貸し手に翻弄された半沢の実家稼業の原体験があり、「銀行なんてただの金貸しですよ。しかし貸す以上そこに不正は許されないし、貸したら全力でサポートするべきだ」というシンプルなバンカーの倫理観がある。
ロングランで高視聴率を誇っていた水戸黄門は、50分過ぎの印籠という伝家の宝刀で多くの日本人の「腑に落ちる」結論と安心感を与えてくれた。
黄門亡き後、「サザエさん症候群」を鎮め、月曜からまた始まる現実へと、日曜の夜に背中を押してくれる、そんなドラマなのかもしれない。