高崎経済大学で映画【Tanpopo】を観てきました!
文化の日、いちおう休日でしたが2つの予定があり外出。
一つは高崎経済大学で学生の制作した映画【Tanpopo】を見ること、もう一つの予定は高崎電気館で開催される空き家活用事例発表会に参加することでした。
まず高経大の大学祭(三扇祭・みつおおぎさい)へ。
烏川沿いの駐車場に車を止めキャンパスに裏口入学し、立ち並ぶ模擬店街を抜けて一号館へ。
立派な階段教室で映画【Tanpopo】は上映されていました。
監督を務めた田中幸城君のあいさつの後、いよいよ上映開始です。
高経大の映画というと小生の世代はすぐ小川伸介の【圧殺の森】のことが思い浮かびます。
1960年代後半の全共闘運動(←死語ですね今や)に先立って、高経大ではいわゆる学生運動が盛んな時がありました。
当時10代の前半だった小生も、自転車で大学の前を通るとやたらに威勢のいい巨大な立て看板が置かれていて、いったい中で何が行われているのか、興味津々に眺めていた時期があります。
この【圧殺の森】は、映画の中で問題提起されていることのレベルの高さが評価され、当時日本全国の大学祭や大学での自主上映会などで頻繁に上映されていました。
小生の通った大学でも、在学中に2度ほど上映された記憶があります。
【圧殺の森】はいわゆる学生運動がテーマですが、【Tanpopo】のテーマはモラトリアム時代における登場人物4人の個性が描かれていました。
それぞれの時代における、それぞれの青春がテーマであることは共通しています。
ファッションのことや女の子にしか興味のない(ように見える)2人の男子学生、自分のやりたいことや将来についてけっこうしっかりした考えを持っている(ように見える)女子学生、3人に引きずられる形でベトナムまで行っても、けっきょく自分を見つけることができない(ように見える)1人の女子学生。
4人の高経大生が、ふとしたきっかけでベトナム・ダナンでの「一日うどんカフェ」を、紆余曲折ありながらもなんとかやりきることで、それまでとは違う世界が見えてくる、そんなストーリーがこの映画のプロットとなります。
その中に、学生同士のラブストーリーがちょっとした味付けになっている。
テーマは、「見る前に飛べ、落ちながら考えろ。」というメッセージに集約されています。
これには、還暦前になってもいまだに100%共感するものがあります。
実はこの【Tanpopo】という映画、小生の関与している会社で取り組んでいるクラウドファンディング【FAAVO】で、上映館の確保やベトナム語字幕作成のための費用を集めています。
したがってつい少しばかりの思い入れをもって見てしまうわけですが、贔屓目に見ていなくても、それなりの作品に仕上がっていると思います。
随所に流れるベトナムの街の喧騒が気になる、カメラワークはもっと大胆なほうがいい、演技がぎこちない…など技巧的にはたくさん指摘できることはあるでしょうが、些末なことはさておいて、ぜひ同世代の学生が作ったという背景も考えながら、たくさんの若い人に見ていただきたい映画だと思いました。
上映後の観客たちの雰囲気も、概ね好意的なものに感じました。
老いも若きも、男も女も、人間はけっきょく、毎日ぎこちなく不器用に生きているんですからね。
上映会の後すぐ高崎電気館に向い「空き家問題」の会合に出てみましたが、これについては別の機会に書いてみたいと思います。